当ブログを以前訪れたことがある方はご存知だと思うが、私は筋金入りのApple信者である。
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[2022年更新] Windowsではなくあえて高価なMacを選ぶ理由 Macにしかできないこととは何か?
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そんなAppleが新商品である「Airpods Max」を出したということで、もちろん値段なんて確認せずに即ポチである。届いてから「へぇ、これが○○万なんだ。洒落てるね」ってスタバでマックブックを開きながら言うのがベスト。これこそ至高。
…と思いながらも、しがないサラリーマンでしかない私はやっぱり値段が気になる。
今回のAirpods Maxは61,800円で、AppleCare+が5,800円だったので都合67,600円。税込みで74,360円である。AppleCareを抜きにして考えてもぶっ飛んだ値段である。まぁほら、デザイン料とかApple信者お布施とか色々あるしと自分に言い聞かせて、これでさらなるApple信者の一歩を踏み出したつもりでいた。
それから待つこと数週間、ついに我が家に届いたので早速一週間ほど使い込んでみた。その結果は…
いや、ちょっとないな というのが率直な感想だ。
Airpods Maxは正直オススメすることができない。仔細にレビューをしてみたいと思う。
この記事はこんな方におすすめ
- Airpods Maxの使用感を知りたい方
- Apple Care+に入るべきかお悩みの方
- プレミアムヘッドホンについて知りたい方
Airpods Maxの装着感
メッシュがどうとか、ハウジングがどうとかそういうのは省略させてもらう。どこにだって書いているからだ。今更私が書くことではないだろう。

重すぎ。
スペック的なところも割愛させていただき、ズバリ装着感について書かせてもらう。
端的に言えば、「クソ重い」という感想だ。
このヘッドホンは、別に家でリラックスして音楽を聴くときだけを想定しているわけではないという前提から入った場合、Airpods Maxはクソ重い。
350グラム程度なので、つまりはビールやコーラの缶と同じ程度の重さである。それを毎日かばんに入れて持ち歩くというのはどうだろうか? まして、頭の上にビール缶を乗っけたまま1日過ごせるだろうか?
わかっている。性能と重さはトレードオフだし、そもそも「重いほうが高級感を感じる」という統計データがあることもわかっている。
それにしても重すぎる。
確かにヘッドバンドはふんわり柔らかいし、ハウジングも耳をすっぽり包んでくれてそれでいてスポンジ的な感触でソフトだ。締め付けもない。アームの長さも角度も調整がうまい具合に聞いている。

柔らかいメッシュのヘッドバンドはたしかに心地よい

クッション性の高いイヤーカップはマグネット着脱式
だが重い。
「全体的にフィット感がいいので、重さほど重く感じない」とレビューを書いている人もいるが、そういう人たちはこのヘッドホンを2時間以上(映画を1本みるという仮定)装着されたのだろうか? どんなに「重さほど重く感じない」といえども、「重い」事実は変わらない。350グラムのビール缶を頭に乗っけ続ければ、首も痛くなるものである。
Airpods Maxの音質やノイズキャンセリングは申し分ない
Airpods MaxはBluetooth接続前提なので(有線でも使えるが、少数派だろう)、そもそもその時点で音質が、という意見はあると思う。
私もピュアオーディオはあまり明るくないが、まぁ常識的に考えて有線より音質が劣化することは想像に難くない。
とはいえ、私はあまり音質的な面では気にならなかった。

Airpods Proの音質・ノイズキャンセリングは申し分ない。
私はクラシックや映画のサントラなどを主に聴いているが、女性・男性ボーカルがあるものもAirpods Maxで試したところ特に違和感はなかった。
フラットな音質、フラットな音質とあちこちで書かれているが、まぁそうかなという気はする。あいにく私の素人耳では「低音域の粒感が・・・」とか高尚なコメントはできないが、「申し分ない音質」ということは言える。
このあたりは一番の個人差だろうが、ハウジングに変に響いたりはないし、音が途切れることもないし、イヤーパッドのせいで音がこもっちゃうとかそういうことは一切ない。至って「問題なく聴ける」というところだ。
ノイズキャンセリングについては、Airpods Proと同程度だと感じた。つまり申し分ない。屋内であればほとんど雑音は消えるだろう。あまりノイズキャンセリングを強化しすぎると音質に影響するという話もあるので、「ちょうどいい塩梅」である。
Airpods Maxの操作性は抜群
私は実はApple Watchのデジタルクラウンが苦手だ。使いづらいと思う。
でもそれは、そもそもApple Watchは腕に装着している状態で操作するものであり、必然的にデジタルクラウンが手首に隣接しているという状態にあるからだと思う。
同じようにAirpods Maxにはデジタルクラウンがついているが、位置的に障害物がなく操作は容易である。

デジタルクラウンは使いやすい
操作自体もシンプルなもので、直感的だ。このあたりは問題なく使えるだろう。
電源ボタンがないとか、Lightningケーブル接続なのかとか、色々と言われているがそこはあまり気にしないでも良いだろう。自動スリープモード・省電力モードもあるし、普通に使っていて不便に感じるシーンが出てくるとは思いづらい。

Airpods MaxのポートはLightningのものが一つ。
少なくとも、タッチ操作よりは遥かにマシだと思う。
ちなみに早速使おうとしたら、iOSのアップデートを要求されたので事前にできる場合はしておくことをおすすめする。
Airpods Maxのデザインはもう少しどうにかならなかったか
デザイン的なところについても私は門外漢なのだが、気になるのが「アメリカンクラッカー」状態になるということだ。

ここがめちゃくちゃぶつかる
いくつかのブログやレビュー記事でも触れられているが、本体を持って少しでも動かすと、「カツ、カツ」とハウジング部分がぶつかり合うのである。つまりケース必須だ。
おそらく他の似たようなデザインのヘッドホンでもカツカツぶつかることはあるだろうが、ハウジング部分がアルミ製ということもあって、音が結構響いてびっくりするのである。これ、絶対傷つくだろう・・・というやつだ。
Macbookの筐体に似た素材と加工だと思うので、そこまでヤワではないとは思うものの、どうしても傷がついたらテンションが下がるものだ。気をつけて使わなきゃ・・・という意識になる時点でちょっとどうだかなぁという気がする。

ケース、謎すぎる。
そしてついてくる謎のケース。わかるよ、Apple。これが完璧なケースであることを目指しているわけではなくて、「とりあえず無料で付属しておいたぞ」という感覚なのだろう。iPhoneだってむき出しで使っていれば傷はつくものだ、だからといってiPhoneにケースは付属しない。
とはいえ。とはいえ、だ。
どうせつけるならもう少しまともなものはつけられなかったのだろうか?
充電のために側面が開いているのだろうが、そのせいで傷がつきそうだし、まぁなんというか保護にもなんにもなっていない感じがするのが残念だ。

無料でついてくるから別にいいけどさ・・・。
「このケースも高級感があって・・・」と書いているレビュワーもみたが、私にはそんなふうには感じなかった。ただのペラいケースである。
そういうこともあって、カバーされる故障の範囲はあるものの、Apple Care+に入っておいてよかったと個人的には感じている。6万以上する製品だし、5000円程度の保険はまぁ許せるだろう。
プレミアムヘッドホンの世界へようこそ
プレミアムヘッドホンという言葉が定義として正しいのかはわからないが、要はクソ高いヘッドホンである。
もちろんヘッドホンはどんな機材でも言えることだが、上を見たらきりがない。おそらく百万単位するヘッドホンはあるだろうし、なんならケーブルだけで百万単位するものだってあるだろう。あいにく私はそういう世界に足を踏み入れたことはないが、ちょっと嗜む程度、といえるレベルでオーディオが好きなのでヘッドホンもそれなりに高級なものを所有したことがある。

箱の高級感はいつものApple製品という感じ。
例えばこちらのSonyの18万円するヘッドホンなんかがそうだ。
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だが、これまた当然なことなのだが、ヘッドホンとひとくくりにしても色々な用途があって、家族で使うハイブリッドの車と、レース仕様のスポーツカーみたいなのを比べてもあまり意味がないように、「ヘッドホン」という大きな枠組みで捉えきれないものは当然ある。
だが、この6万円オーバーという値段から鑑みるに、たとえワイヤレスであったとしても、Airpods Maxはプレミアムヘッドホンと言えるだろう。
体験を買う、という考え方をしてみる
ではこの値段をどのように正当化するのか?
確かに使っている素材は高級っぽいが、考えてみればiPadやiPhoneと同じようなものであって、当然ヘッドホンをタブレットや携帯電話と比べてしまうのも馬鹿らしいが、「6万円払ってできることが音楽聞いて通話するぐらいかよ・・・」と思ってしまうのは当然ではないだろうか。

値段に目を瞑れば、たしかにAirpods Maxはよいヘッドホンだ。
しっかりしている作りだとは思うし、高級感が何なのかはよくわからないが、少なくともチープではない。でも6万円か、これ?と思わないでもない。
やはりこれは、「体験にお金を払っている」あるいは「情報にお金を払っている」と考えるべきだろうか。
MacやiPadやiPhoneと(デザイン的に)高い親和性を持っていて、ひっくるめて「Appleのエコシステムや!トータルコーディネートなんじゃ!」といえなくはない。それで喜ぶ人はたくさんいるだろう。
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まぁ、なのでとどのつまりは宗教チックな世界観である。
結論 Airpods Maxはやっぱり高すぎる
Apple信者の私が自分のブログでこんなことを書くことになるとは思っても見なかったが、正直なところAipods Maxはおすすめできない。
Airpods Proは最高レベルの商品だっただけに、少し残念な気がしてならない。
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音質も良いものの、「ずば抜けてすごい!」という程度のものではない。ノイズキャンセリングも「これぐらいでちょうどいい」というレベルのものであり、特段技術的に強烈な進歩を感じたものではなかった。

Apple Airpods Max レビュー 音質・操作感は良いが重すぎだろう
つまり、「きちんとノイズキャンセリング機能がついた無線ヘッドホンを作ったらこんな感じになるよね」という無難すぎる性能である。
これが4万円程度の製品であれば「きちんとストライクを取りに来たな」という気持ちにもなれるが、6万円もするのだから「もう少しなにか欲しかった!」と思わざるを得ない。
ヘッドホンに何を期待しちゃっているの、と思われるかもしれないが、同レベルのヘッドホンよりワンランク上の値段設定なのだから、「もう一声!」と期待してしまうのは当然ではないだろうか。
2021年最初の記事となるが、もう少しひねりがほしいという残念な商品レビューとなってしまった。