私は結構タイピングをする人間だ。仕事でもそうだし、趣味でもそうだし、とにかくパソコンをずっと弄っている。となると、キーボードにも結構こだわっている・・・と言いたいのだけれども、実はほとんどキーボードを気にかけたことはなかった。適当にパソコンを買ったときに付属されたものを使用し続けた人間だ。
だけれども、「そんなに違うのであれば」と思い、今回お金で買える範囲でわりと最高峰に位置すると思われる(もちろん上を見たらきりがないが)、PFU社のHappy Hacking Keyboard (HHKB)Professional HYBRID Type-Sを購入した。
実際に私のタイピング速度は向上したので、下記に詳細をレビューしていきたい。
この記事はこんな方におすすめ
- タイピング速度を向上させたい方
- 新しいキーボードを探している方
- タイピング環境を統一したい方
タイピング速度と精度をテストしてみると、HHKBは確かに効果が出た
まず結論から話したい。HHKBを導入したことでタイピング速度は向上した。とはいえ、劇的ではない。

PFUのHappy Hacking Keyboard (HHKB) Professional Hybrid Type-S で超高速タイピングを実現
今回テストに使ったのは10 Fast Fingersというサイトのタイピング速度検定。
私が普段使っているのはApple純正のキーボードだ。普段使い慣れている、Macbook Proのキーボードである。

MacBook Proでのタイピング結果
まず普通にタイピングテストをして、97WPMという数字が出た。上位8%程度の数字らしい。まぁ、こんなものだろう。

HHKBでのタイピング結果
次にHHKBを使用しての数字がこちら。100WPMかつノーミスである。こちらは上位6%の数字とのこと。
正直誤差ではないかなという気持ちがしないでもないが、何度か試してみて平均的にこれぐらいの数字になっており、HHKBの方が速度もノーミス率も高いので効果は確実だろう。
とはいえ、比較対象が悪いのかもしれない。
よくMacbookのキーボードはキーを押したときの下がり幅が短く、「机を叩いているみたい」だとか、「疲れる」だとか言われている。酷評こそされるものの、評価している人はあまり見たことがない。
実は私はMacのキーボードで不満を感じたことは一度もない。iPadのMagic Keyboardだって特に不満を感じたことはない。
HHKBは物としての完成度は高い
私はキーボードの構造は詳しくない。よくわからない。
だからこのキーは軸がこうで、と言われてもピンと来ない。それを言われてピンと来る人は、そもそもよくわかっている人だ。

シンプルなボックス
シンプルに言うと、このキーボードは「押した感」がしっかりしている。ピアノっぽいというか、スカスカしていない。押しづらい、硬いというわけではないけれども、しっかりとした反発がある。
だからスピードが段々と「ノッて」くる。自転車の漕ぎ始めはペダルが重たいけれども、だんだんと回ってくるみたいなイメージだ。最初はちょっとキーの反発を感じて「押して」いくことを意識しているけれども、すぐに指がなめらかに動き始めてくる。
アホみたいな表現のように聞こえるかもしれないが、「走り出すと止まらない」感覚が出てくるのだ。
だから上記のタイピングテストも、3分、5分と長めにしていけばもっと差が出たかもしれない。疲れるからやりたくないが。
だが、世の中にそんなにぶっつけでタイピングする人はどれだけいるだろうか?
私の場合考えながら文章を起こすことばかりなので(というか普通の人はテープ起こしでもしていなければ基本そうだろう)、ちょくちょく手を止めて考えてからタイプをする。となると、そこまで差が出ないのではないか?と思わないでもない。
キーボードに文句を言っている人で、タイプ速度が早い人は見たことがない
私の周りで結構キーボードにこだわっている人が何人かおり、実はそんな中の一人が使っていたのを試して気に入ったから今回HHKBを購入したという経緯がある。
だが、彼らはいずれも文字を書くことを生業とはしていないし、まして見た限りでは私よりタイプ速度が遅い人ばかりだ。
道具に関して言えばなんだってそうだと思うが、文句を言うのはいわゆるアマチュアばかりな気がしないでもない。
確かに「毎日タイピングしている時間を考えたら、なぜキーボードに投資しないのか」などと威勢のいいことを言われると「そうかもなぁ」という気持ちにならないでもない。仕事道具なのだから、相棒と呼べるものを使っていこうと言う人はたしかにカッコいい。
意識高い系で中二病をこじらせている私からしてみれば、あこがれを感じざるをえなかったのだ。
だが。
だが、本当に必要だったのか? Macbookのペタペタキーボードでも問題なかったのではないか? と言われたら答えに窮するかもしれない。
HHKBが真価を発揮するのはBluetoothであること
しかしそれでもなお、私が3万円以上もするキーボードを購入したのには理由がある。それはひとえに、環境を統一できるからだ。

後ろのDIPキーで色々と調整が可能
Bluetooth接続で使用できるこのキーボードは、私の職場パソコンでも、プライベートで使用しているパソコンでも、iPadでも、iPhoneでも、シームレスに切り替えて使うことができる。
わざわざメニューから選択したり、一回Bluetoothの接続を切ったりしなくても、キーコマンドで最大4台まで瞬時にキーボード接続対象を変えられるのが本当に便利。
簡単に持ち運べて、どこでも同じタイプ心地で文章を打つことができるというのは非常にありがたいものだ。
もちろん、それはきっとBluetoothキーボードであれば全部同じことではあろう。モノとしての信頼性、耐久性、サイズ、そういったものを加味してもやはり高いとは思う。
結局HHKBを買った理由は「カッコいいから」
そうなってくるとあとはもう「好きだから、気に入ったから」という点しか残っていない。

PFUのHappy Hacking Keyboard (HHKB) Professional Hybrid Type-S で超高速タイピングを実現
そう、結局は物としてカッコいいと思ったから、ステイタス感を感じたから、そういう理由がなければこのキーボードは買わない。
どう考えても高いし、どう考えても劇的にタイプスピードが上がるとは思えないし、矢印キーがないバージョンは考えるだけでも身の毛がよだつぐらい使いづらいと思う。
「これで人生が変わりました!」といっている人は、どれだけデリケートな人なんだろう? と正直思ってしまう。世の中のHHKBファンの皆様、ごめんなさい。
正直言おう。
私がこのキーボードを買ったのは「カッコいいと思ったから」だ。他のキーボードでも全く問題はなかった。少なくとも私にとっては、そこまでの違いを見いだせるほどの野力を持っていない。
毎日何万字も書いているけれど、そんなこと言ったって今までMacbookのキーボードを使い続けて一度も問題を感じたことはなかったのだから、しょうがない。

PFUのHappy Hacking Keyboard (HHKB) Professional Hybrid Type-S で超高速タイピングを実現
買えるから、カッコいいから、なんか意識高そうだったから。
それを理由で買ったのだ。