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ほぼ日手帳は何がすごいのか? 一年使った感想を振り返る 他の手帳との違い・比較とメリット・デメリット

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

今更私が語ることがないほど、「ほぼ日手帳」は世の中に浸透したと言える。会社で使っている人もちらほら見かけるし、毎年LOFTの売り場にずらりと新作が並ぶ。

私もミーハーな性格で色々な手帳に手を出してきたが、せっかくなのでレビューを書いてみたいと思う。

この記事はこんな方におすすめ

  • ほぼ日手帳が気になっている方
  • ほぼ日手帳の良いところと悪いところを知りたい方
  • 他の手帳との比較の実体験レビューが欲しい方

このご時世に紙の手帳を使うわけ

私は仕事が好きだけど、それで人生を埋め尽くしたくない。あくまで生きる糧のために働いており、自分のスキルを有効活用したいと思っている延長に仕事があるに過ぎない。

だから仕事がプライベートに侵入してくるのが嫌いなので、iPhoneやiPadにあまり仕事のリマインダーなどを飛ばしたくない。

それ故に仕事は仕事、プライベートはプライベート!と分けるために、私は仕事のスケジュール類は全て紙のノートに書き出して使用している。(もちろん、会社のPCでスケジュールは管理しているし、泣く泣くそれをiPhoneやApple Watchと同期している)

あまり効率的ではないし、デジタル社会のメリットをあまり受けてはいないが、個人的にはそれでよいと感じている。

手で書く作業が記憶力の悪い私にはちょうどよい頭の体操になるし、書き殴ったメモを今度は会社のPCのOne Note等に清書していく作業を通して忘れてはいけないものをきちんと管理していく。

そのために私は常に紙にものを書くのが好きで、手帳もその延長として社会人一年目から持ち続けてきた。



結論から言うと、手帳は手帳だ

ほぼ日手帳は魔法の道具ではない。

これを買ったからと言って、急にスケジュール管理の達人になるわけではないし、イラストがうまくなるわけでもないし、毎日に彩りをもたらしてくれるというわけではない

そんな事は誰だって頭では分かっているだろうが、NAVERまとめなどでキラキラした使用者の写真を見ると「私も・・・」と思ってしまうのは人間として避けがたい反応かもしれない。

正直なことを言ってしまうと、ほぼ日手帳はただの手帳だ。ノートと言ってもいい。
日付が入っていて、方眼紙スタイルで、1日1ページだ。
年間・月間カレンダーもついているし、各見開きにも小さい月カレンダーも見られる。
紙が薄いおかげで1日1ページプラスその他無数の付録があるにもかかわらず、文庫本サイズに落ち着いている。
そしていくつかサイズ展開がある。

本当に、要素としてはその程度だ。

これに3000円程度はちょっと高いと感じるかもしれないし、でも1年使うものだからコスト的には気にならないかもしれない。個人的には1年しっかり使い倒すつもりで買ったので、手帳やノートとしてはやけに高いとは思うが、納得して使えている。

内容もよく考えられていると思うし、色使いも落ち着いていて職場で使っていても全く違和感はない。

カバーの展開も豊富だし、そういう楽しみ方もあるだろう。私は革が好きなので純正ではないカバーを購入した。自分のもの!という所有欲を満たすと愛着が湧くような気もする。私だけか。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

しかし、突き詰めてしまえば「ただの手帳」だ。

仕事がうまくいく工夫がたくさん、とかそういうわけでもない。
あくまで万能に使える手帳である。

もちろん、そんなことは分かって購入している。使い方次第なのだ。

だが何か特殊なキラキラ要素があると思って購入しないほうがいい。そんな人はいないとは思うが、念のため、だ。
そもそも手帳内の全ページを公式ホームページで確認できるので、サプライズ要素は何もないはずだ。

使い方次第だが、仕事にも十分使える。

私はその日ある会議ややらなきゃいけないタスクをまず朝イチに手帳に書き出している。
そのため1日1ページなのは有難いし、さらにいえばうすーくだがページの左端がそういった予定を書き出せるに区切られているのも有難い。もちろん、その区切りを無視して全面使っても全く問題はないし、気にならないぐらい薄い区切りなので「絶対こう使えよ!」とアピールしてこないのは嬉しい。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

うっすら縦に線が引かれており、スケジュールを書き入れやすい

方眼紙なのも文字を揃えやすいし、タスクの完了・未完了のチェックもやりやすいのはメリットだ。

個人的にはもうすこし方眼のマス目が大きくてもいいかな、と感じた。
大きく書こうと2マスを使うと今度は字が大きすぎる気がするし、そのあたりはよーく見て選んで欲しい。合う人、合わない人は絶対にいる。私はちっちゃな字で細々と書き込むのが好きな人間なので大丈夫だが、「でも小さいなぁ」と思うことはある。実物を見た方が良いだろう。

私は先程説明したように左側に会議やタスクをざっくりタイムラインで書いて、右側にその日のメモを書く。

業務日誌みたいにやったこと、学んだことを丁寧に書くこともあれば、電話をしながらメモを殴り書くこともある。ただ、方眼のおかげで殴り書きでもある程度綺麗に書けるので有難い。

極薄のトモエリバーという紙を使っているが、万年筆のインクの裏写りもあまりないし、フリクションでこすってもページがよれたりしない。かなりタフだ。紙質については、気にすることはないだろう。

ただ、下敷きがあった方が書きやすいのは確実だ。この点、公式が専用サイズの下敷きを出しているので気に入ればそれを買えばいいだろう。とはいえ、ノーブランドでもう少し安いものもありそうだが・・・。



1日1ページは便利だが、使い方が制限される

1日1ページという体裁を取っている以上、なかなかトピックごとにノートを作ると言うことができず、インデックスもないため振り返りがすこし難しいという問題がある。

これは私の使い方の問題で、そもそも日記帳のようにその日のスケジュールと出来事を書くことを想定している作りのため、「この日なにがあったか」を見返すのは容易だが「あれはいつだったかな」という検索性はあまり高くない。もちろん、自分でインデックスを設けたり目次を用意したりはできるが、あまりプラクティカルではないだろう。

1日1ページなのは純粋に嬉しいし、使いやすいとは思うが、裏を返せばそれ以外の使い方が難しい。日付を無視して利用する人もいるようだが、ちょっとそれは個人的にはわざわざほぼ日手帳を使う意味がない気がする。私の場合は使い方の問題だが休日のページが空白になりがちなのが気になった。

仕事で使うと決めている以上、土日祝祭日は仕事で出勤していない限りは余白ページとなってしまう。

そこに溢れたメモなり、便利なプリントなどを貼り付けたりはしているが、上記の検索性の問題もありあまりスマートな使い方とは言いづらい。

1日1ページは便利だが、それ故の弊害もあるのだ。

無駄な要素が少ないのが嬉しい

こういう機能性が高い綴じ手帳は、いらないページが多かったりする。鉄道路線図とか年齢早見表とか、便利な人には便利であろうけれども、別にいらないよね?という要素だ。

ほぼ日手帳もしっかりそういう「プラス要素」が入っているが、紙が薄いおかげでびっくりするほど気にならない。暇な時にペラペラとめくって楽しめる分、悪くはない。もちろんない方がすっきりするのかもしれないが、極薄の紙を使用しているためそんなに重さにも加担しないし気にしなくても良いだろう。

各ページの下部にこれまた謎の名言集というか、一言がついている。ざっくり目視計算だがページの1/8ぐらいがこの「一言」で埋まっている。個人的にはこれはなくてもいいと思った。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

わりと場所を取る

ほぼ日手帳をほぼ日手帳たらしめている要素なのだろうけれども、はっきり言って邪魔だ。書くスペースがグッと狭まってしまうし、文字を重ねてしまうのもちょっと忍びない。ユーモアに溢れている小粋な文章が多いし、内容は決して悪くないのだが、だからといって役に立つというわけでもなく、個人的にはいまひとつだ。

とはいえ、面白い文章に触れられること自体は願っても無いことだし、もう少し目立たない、ページの邪魔にならない形で入っていてくれればなぁと思う。

しかし私の使い方だと日によってはページを全面使わないこともあるし、書くスペースがなくなる!ということはそこまでないのであまり気にならなくなった。



他の手帳との比較

私はどうも手帳浮気性で、ここ数年で色々な手帳を使ってきた。

モレスキン、ジブン手帳、ほぼ日手帳カズン、そしてシステム手帳を使ってきた。

それぞれについて簡単に書いていきたい。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

モレスキン

モレスキンは雑記ノートとして使用してきた。お洒落なビジネスマンが使っていそうだからという極めてミーハーな理由で購入したが、高い割には紙の質があまりよくなく、万年筆で書くと裏写りがひどかった。とはいえ、若干クリーム色の紙は目に優しく、罫線の間隔も広めで字が小さすぎず大きすぎずでちょうどよかった。ほぼ日手帳もこれぐらいの紙の色と方眼の広さだったらよかったのに、と感じる。ハードカバーとゴムバンドが初期装備なのも使いやすかったが、いかんせん値段と紙質が気になりリピートとはならなかった。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

ジブン手帳

ジブン手帳は一年使用したが、見やすく使いやすく便利だった。とはいえ、あくまでスケジューラーであり、1日1ページではない。しかしジブン手帳の時間軸が非常に使いやすく、追加のノートを差し込めば1日1ページにでも、トピックごとにでも使用できたのが嬉しかった。少しサイズが大きいのと、ライフログの使い道があまり思い浮かばなかったのでほぼ日手帳に乗り換えたという経緯がある。紙は同じくトモエリバーなので、ほぼ日の明確なライバルだと感じた。よいノートだと思うし、これに戻ってもよい。強いて言うなら、複数ノートの組み合わせでの取り回しというのが気になる程度か。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

ほぼ日手帳カズン

ほぼ日カズンは初めて購入した手帳だ。やはり大きい分取り回しが難しく、方眼紙の間隔はオリジナルサイズと変わらないので字が小さくなりがちだ。1日1ページだと私の平凡なビジネスライフだと持て余してしまったので、やはり大きすぎると感じた。資料を挟み込むと大きくなりがちだし、そうなると1日1ページの良さが活かせない。オリジナルサイズの方がやはり便利だと感じた。

ほぼ日手帳は何がすごいのか?

アシュフォードのシステム手帳

システム手帳はアッシュフォードのA5サイズのものをギフトで頂き使用していた。A5サイズは個人的に使いやすかったが、やはり普段使いには少し大きい。デスクにどん、と鎮座していて持て余す。システム手帳はリフィルをどんどん好みに変えて組み合わせて使えるのがメリットだし、ルーズリーフなので必要に応じてトピックをまとめたりファイリングしたりが便利だ。とはいえ、そこまでするほどスケジュール管理をしていないし、やはり大きく重く使いづらさが目立った

まとめ ポップな使い方は、必ずしも必要ない

ほぼ日手帳の利用者レビューを見ると、イラストで彩ったりスクラップブックに使ったり、なんかキラキラしているものが多い。ポップでバズりそうなものばかりだ。

反面私は色分けもあんまりしないし、文字だけでたまに資料や付箋を貼る程度の地味極まりない使い方しかしていない。これであればビジネスっぽい手帳でもよかったんじゃないの、というツッコミもありそうだ。

だが、文庫サイズでこの紙の薄さ、1日1ページというわかりやすい使い方を提示してくれている点で、この手帳はなかなかにん便利な存在だ。とはいえ、最近は他にも1日1ページの手帳や、軽い薄い紙の手帳も増えてきているので、そのうちほぼ日手帳でなくても・・・となるだろう。いや、既になっているかもしれない。

しかし、この地味な使用方法でもしっかり応えてくれるし、何よりコンパクトで使いやすい。紙も質が高く何度も目繰り返しても意外にもヨレることはなく、インクのにじみや裏抜けもない。軽くて持ちやすいし、180度開くのも有難い。

しかし来年度もこの手帳を買うかと聞かれたら、答えは「微妙」だ。大きなデメリットはなく、使用する上で便利な点が多いが、同時に「ほぼ日手帳」である必要がないのも事実だ。紙質もノート自体の品質も申し分ないが、1日1ページに固執する必要はあまり感じられず、またページのある程度を名言集で埋められているのは痛い。

ものとしての質は悪くないので、他のライバル商品がなければリピートすることも考えられる。他の商品次第、というところだろう。

  • この記事を書いた人

内藤エルフ

2013年東京大学法学部卒業。都内の米系投資銀行勤務。英語と日本語のバイリンガル。意識高い系そのものが好き。スターバックスでMacbookを開いてドヤ顔するのが好き(しかし仕事のファイルは持ち出し禁止なのでネットサーフィンのみ)。なお、コーヒーの味の違いはわからないけど、日本とアメリカのコーラの味の違いは7割の確率で当てられる。

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