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旅行がもたらす思いがけないメリット 日本が大好きでも、海外を見るべきシンプルな理由

私達はあまりにも狭い世界に住んでいる。

世界には190カ国以上あるが、これはつまり平均寿命まで生きる日本人が毎年2カ国を訪れたとしても回りきれない数だ。それなのに、未だに多くの人は海外はおろか自分の街を出ることなくして人生を終えていく。

それを良いか悪いかと考えるのは当然個人によるし、なんら強要するつもりはない。私は今住んでいる街が大好きだし、今のところ越すつもりは一切ないので、そういう心構えで「他のものは見る必要なし」と思うのであれば、それで良いと思う。

とはいえ、機会損失があるのは事実だと思う。

旅で何が得られるのか? なぜ旅がおすすめなのか。簡単にまとめて行きたいと思う。

この記事はこんな方におすすめ

  • 旅行にいくメリットを感じられない方
  • あまり旅行に出られたことがない方
  • 視野を広げたいけど、どうしたらいいかわからない方

旅に出ない機会損失とは

話が急に変わるようだが、人はなぜ本を読むのだろうか。大別すると二つの理由があって、「知見を得たい」のか「エンターテイメントが欲しい」のいずれかあるいはその組み合わせになると私は考える。

この世の本の数は計り知れないが、日本語で書かれているものでも一人の生涯では読みきれないだろう。

そう考えると、ひどい人生だなと私は思う。一人の人生の中で経験できることには寿命がある限り限界があり、素晴らしいことが書かれている書物があったとしてもそれに触れることなく終わる可能性がある。

だが、人生とはそんなものだ。

稀代の将棋の天才になれる器の人間がいたとして、将棋に触れることなく人生を終えることだってありえる。別のどこかに才能を発揮するかもしれないが、そうではないかもしれない。

だからといって、全てのスポーツや競技を試して、全ての楽器を試して、全ての本を読もうとする…なんてことをする人はいない。

人はどこかで見切りをつけないといけない

だが、得られるのであれば知見は得るべきだと思うし、楽しめるなら楽しいことはやっておいて損はないと私は思う。出会ったことのないものに出会うのは最高な気分だし、人生が大きく変わることだってありえる。

その反面、変化を恐れるのもわかる。安定を求めるのは本能的なところもあるだろうし、それを責めることはできない。

もっといい女性がいる可能性があるから、と結婚しても浮気を続けるのは最低の極みだろう。

旅で得られるものは多い。何故なら、とりわけ外国であれば自身と全く違う人種の人たちが、自身と全く違う文化の中で、自身と全く違う日常を作り上げているのだから。何も得られないで帰るなんてことはまずあり得ないことだ。

旅に出ないことは、機会損失なのだ。

旅で何が得られるのか

インドネシア旅行

旅で得られるのは知識やお土産やステキな思い出だけではない。もちろんそれらも素晴らしい財産となるが、それ以上に得られるのは経だと私は思う。

百聞は一見にしかず、実際に肌で異文化を感じることはかけがえのない経験になる。

宗教一つをとっても、厳かなモスクで真摯に祈りを捧げるムスリムの姿や、我が子を火葬し極楽浄土を願い川へと流すヒンズー教徒の姿は、目の当たりにするとグッとくるものがある。教科書や本、あるいはテレビで得られる情報とはまた違う、生の感情が湧き上がる経験だ。

一つ一つの日常にストーリーがある

ここを行き交う人たちは、何を思って日々過ごすのだろうか。もう会うことはないのだろうか。あるいは彼らが日本に来ることはあるのだろうか。彼らはこの先、この地で何を見るのだろうか。

車窓越しでも、直接挨拶しながらでも、出会う人たちにはそれぞれ当然だが人生がありストーリーがある。

そこで何を感じるかはあなた次第ではあるが、何も感じず時間が過ぎ去っていくことはあり得ないだろう。実際に見てきた、それだけで語れるものが増える、貴重な財産になる。

旅は冒険するべきなのか

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ともすれば、人からそれは「まがい物」だと映るかもしれない。

観光客で溢れる場所を渡り歩くだけで、一体その国の何が分かるのか、と。

正直に申し上げるとその通りだ。私は海外旅行をしてその国の全てを分かった気になったつもりはない。まして、私は住んできた日本やアメリカのこともほとんど分かっていないだろう。その国の全てを知り尽くすことは無理だ。

もちろん、舗装された道路から一歩離れ、国内の人も名前を知らないような小さな町や村に赴き、そこの生活を見ることも素敵だと思う。そこの人たちは、きっと都会や観光地の人たちとは全く違う生活を送っているはずだ。だがそれも一面でしかない。

滋賀の人の暮らしは青森の人の暮らしとは違うだろうし、北海道の人の暮らしは長崎の人の暮らしとも違う。下手すると千葉の人の暮らしと神奈川の人の暮らしも違うだろうし、東京一つとっても生活は様々だ。

しかしだからといって、滋賀に行くのは無駄だろうか? 長崎に行くのは無駄だろうか? 東京だけ見て何がわかると批判して、何のメリットがあるのだろうか?

冒険は素晴らしいし、尊重するし、私自身やってみたいと思う。だが、そうでない旅もなんら問題はないものだと私は思う。

大事なのは違う何かを経験することだ。

自身の思う日常から離れて、自身からした非日常を経験して肌で感じて目で見ることが大事なのだと私は思う。常に何か新しいことを経験して、それを通して自身に足りないものや失っていたものに気づくことができるのではないか。本当に意識高い系がコーヒーでも飲みながら言ってそうなセリフだが、心の底からそう思う。

世界は似ているようで、想像以上に似ていない

人間が社会生活を営む以上、ある程度は社会は似通っては来る。どんな社会でも仕事は存在するし、仕事をしているのは男性が多いし、貧富の格差は広がりつつある。みんな朝昼晩と食事をとるし、なんらかの宗教を信奉する人が多く、その町や文化に即した土産物が存在する。

トルコ旅行

そう書いてしまうと、とても似ているように見える。社会の流れは確かに似ているかもしれない。だが、そのありようは非常に多様だ。

仕事ひとつとっても、それに対する態度が大きく違う。崇高なものとして捉える人、あくまで生きるための術の一つであると捉える人ーー日本の中でさえそういった考え方の違いがあるのと同じように、国が違えば色々なもののあり方が、たとえ最終的な目標が同じであっても違うのだ。

それを見て、なにも気づきがないはずがない。

私はアメリカで生活してきたから、比較的価値観が日本の人とは異なるところがある。悪い意味でも、いい意味でも、違うのだ。それ故に人とは違う生活を送るし、自分の中で取捨選択してこれがいいという生き方を貫いている。

そういう選択肢の多さも、ひとえに選択肢が無数存在するという事実を知っているからはじめて現れてくるものだ。

選択の自由
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結局日本が良いという結論でいい

私はいくつかの国を見てきて、一部で実際に生活を試みてきて、日本が一番好きだという結論に達した

日本が素晴らしいと思う点があれば、ここは劣っているなと思うところもある。だが総合的に見て、私は日本に勝る国はないと個人的に感じている。もちろん個人の感想だ。

同じように日本は素晴らしいと感じる人もいれば、こんな国は沈没してしまえと感じる人もいるだろう。あるいは、日本がいいとか悪いとか考えたことがないと思う人もいる。

私はいくつかある選択肢の中から、日本が好きだと考えて日本に住めていることを幸せに思っている。だからもしかすると人一倍日本の政治や行く末が気になったり、何かと日本のことが気になるのかもしれない。

そういう感情も、他の国を些細ながらも見たからうまれたものだ。たとえほんの表面的な、観光地の一部しか見たことがないとしても、比較対象があるとないとでは大きく違う。批判をするにも擁護するにも、何かと比較するのは貴重だ。もちろん、何でもかんでも比較してもいいわけではないが、それでもなお基準点というか、考えが依拠できるものがあるのは違う。

私は旅をするたびに、他の国のこんなところが好きだという気持ちと、それに加えて、日本はやはり良いなという気持ちになる。

だがもしかすると、日本よりよい国が見つかるかもしれない(あまり想像はできないが)。それはしかし幸せな発見だ。すでに好きだと思っている国より、さらに気に入った国が出てくるのであれば、私の人生はさらに豊かになるであろう。

そういう意味では「あの旅行は最悪だったな」と思うことも悪いことではないと思う。それゆえに、一層自分が住んでいる国やら置かれている環境が素晴らしいと思えるのだ。

まとめ なにも得られない旅なんてない

インドネシア旅行

旅は素晴らしい。

新しいものに触れて、既知のものの有り難みや欠点が浮き彫りになる。

悪い旅なんて存在しないし、旅でなにも得られないなんてことはない。自分の住んでいる町から隣町にいくだけでも、そんな1時間程度の旅であったとしても、何も得るものないなんてことはないはずだ。

常に既に知っているものと比較し、検討し、自身の置かれている環境を考え直すことができる。

何が足りないのか。何が必要なのか。何に満足しているのか。どういうところの、何に自身は恐れを感じているのか。あるいは幸せを感じているのか。

それを把握するためにも、肌で感じて経験することは大事だと思う。

世界は狭く均質的なように見えて、非常に表情豊かでバラエティに富んでいる。全てを見尽くすことが不可能だからこそ、私は少しでいいからその違いを自分の目で見ることをおすすめする

きっと、得られるかけがえのないものがあるはずだ。意識は高く。

  • この記事を書いた人

内藤エルフ

2013年東京大学法学部卒業。都内の米系投資銀行勤務。英語と日本語のバイリンガル。意識高い系そのものが好き。スターバックスでMacbookを開いてドヤ顔するのが好き(しかし仕事のファイルは持ち出し禁止なのでネットサーフィンのみ)。なお、コーヒーの味の違いはわからないけど、日本とアメリカのコーラの味の違いは7割の確率で当てられる。

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