ふとしたことから、MicrosoftのSurface Pro 7を昨年購入した。
理由は単純で、リモートワーク推奨になった際に、会社のシステムにリモートアクセスするためにはやはりWindowsマシンが良かったからだ。会社からの貸与PCもあったのだが、どうも気に入らなかったので、それならばと自腹で以前から気になっていたSurfaceシリーズに手を出してみた。

MacからSurfaceに乗り換えて、またMacbookに戻った理由

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[2022年更新] Windowsではなくあえて高価なMacを選ぶ理由 Macにしかできないこととは何か?
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結果的に言うと、Surface Pro 7は素晴らしいマシンだった。いくつか欠点はあるけれども、非常に高いレベルで安定していた。普通に使う分には全く過不足はないし、多少の動画編集や(私はあまりやらないのでよくわからないが)ゲームをするぐらいであれば、特に問題はないだろう。
だが、それでも私は半年ほどの利用を経て、Macbookへと出戻りすることになった。その理由をここで紹介していきたいと思う。
この記事はこんな方におすすめ
- Microsoft Surface Proシリーズが気になっている方
- Mac信者がWindowsマシンを使ってみてどう感じるのか知りたい方
- なぜWindowsと比較してMacを選ぶのか知りたい方
目次(タップで開きます)
Surface Pro 7は素晴らしいマシン
細かいスペックの話は置いておいて、Surface Pro 7は素晴らしいマシンだ。タブレットにもなるし、PCにもなる。
私はiPadシリーズも過去何台か所有していたのだが、正直仕事やメインマシン的に使うことはあまりしなかった。普通の事務的なタスクをやる分には良いのだが、がっつりとオフィスソフトを使うとやっぱりiOS版の限界を感じたし、動画や画像編集をするには少しスペックが足りない。

しかしSurface Proは違う。こいつはタブレット「型」のPCなのだ。つまり、Windowsで動くソフトは普通に動くのである。iPadの場合、iOSとMac OSは別物なので、Mac OS用のアプリはiPadでは動かない(まぁ厳密に言えば色々と互換性が出てきているのだがそこはパンドラの箱なのであまり深堀りしないことにする)。

タブレットとしても使えるSurface Pro
キーボードとマウスをつければガッツリPCとして使えるし、ちょっとライトに行きたい場合はそれらをとっぱらって、タブレットとして使うことができる。そしてタブレット状態でも、フルにWindowsが動くのである。
「これさえあれば、何もいらない」
Surface Proシリーズのキャッチコピーだが、まさにそのとおりである。
Surface Penでの筆記はiPad ProのApple Pencilと比べると若干ペン先がずれる印象があるが(使用ソフトはAdobe Acrobat ProとClip Studio Paint EX)、普段遣いやちょっとイラストを書いたりレタッチ作業をしたりする分には問題はない。

Surface Penの挙動も良好
スペック的にも、最新の3Dゲームとかをやらない限り、問題はない。多くのPCゲームのベンチマークスコアは検索すればすぐ出てくるので、参考にしてほしい。

Surface Proは膝の上に乗せるのがきつい
ノートパソコンのことを、ラップトップとも呼ぶ。ラップ、つまり膝の上に乗せるという意味だ。

膝に乗せてタイピングをするスタイル
Surface Proを膝に乗せるとどうなるか? 答えは単純だ。非常に使いづらい。
というのも、Surface Proはタブレットである。キーボードは別につけなければならない。となると、キーボードが本体の重さを支える構造にはなっていないのである。本体自体のキックスタンドを使って使用するのだ。
私は結構ノマドワーカーというか、あちこちでかけて作業するのが好きである(もちろんコロナ禍で、十二分に配慮して行っている)。タクシーを利用することも多い。
タクシーの中でちょっと仕事をする。あるいは、開放的なところで、ベンチに座って、ゆったりと作業をしたいとする。

まず、キックスタンドに重みがほぼ全部かかるので、膝に食い込んでくる。これがなかなか痛い。
それだけなら別に良いのだが、タイプカバーでタイピングをすると、下に隙間があるために、タイプするたびに左右に揺れるのである。普通のノートパソコンだと、接地面がキーボードの下部分だろう。だが、これがタッチカバーだとそうではない。あくまでも、キックスタンドと、キーボードの一番手前部分の2点のみで支える形になるのだ(写真を見ていただきたい)。

このキックスタンドで本体を刺させる。キーボードの下に空間ができる。
こうなると、タイピングをしていると不安定なことこの上ない、右側のキーを叩けば右に、左側のキーを叩けば左側に傾くのだ。
おまけに、本体の薄さが仇となって、タイプするとペコペコして不安になる。薄いのは本当に素晴らしいし、とんでもない技術的マーベルなのだろうが、薄いがゆえにペコペコしてしまうのだ。剛性は十分だろうが、やっぱり怖い。
他にも、Surface Proの細かいところが気になる
他にもいくつか気になってくるところが出てくる。これらは些細なことだが、正直「うーん」な部分だ。
その一つが、ポートが2つしかない(うち一つはUSB-Cなのが救い)という点だ。これは一昔前のMacbook(ProやAirではなく、無印のやつである)も同じだが、ポートが少ないとドングルが必要になる。あまりスマートではない。
次に気になるのが、やはり本体のデザインである。
確かにとてもスマートだが、もう何年も刷新されていないデザインは、2021年ではちょっと古臭い。本体の薄さは素晴らしいが、ベゼルの太さが気になる。まぁ、これはMacでも言えることだが・・・。Surface Pro Xでは改善されているので、ゆくゆくはこれは改善されるものなのだろう。

負荷をかける作業をするマシンではないのかもしれないが、それにしてもファンのブン回りようには驚かされた。もう少し静かに動くものかと思ったら、そうではない。Macbookなら汗一つかかなかった作業が、どうにもファンがブンブンうるさく回っている気がするのだ。

本体はとてもスマート。持ち歩きは苦ではない。
長時間使用とすると本体が熱くなるのは仕方がないが(なおこの点、先程触れた接地面が小さいがプラスに働く)、ファンがうるさいのは正直気が散ってしまう。
Surface Penの使用している電池の規格が特殊(単6電池なんて存在自体初めて知った)なので交換が面倒というのも欠点かもしれない。
M1搭載のMacbookが出てしまった
実のところ、上の欠点は目をつぶる事はできる。膝の上で作業しづらいのはまぁ机を探してどうにかすることができるし、それ以外の欠点は問題ではない。
問題はSurface以外のところにあった。
そう、Silicon Macこと、M1チップを使用しているMacbook AirとProが発売されたのである。
最新 Apple MacBook Air Apple M1 Chip (13インチPro, 8GB RAM, 256GB SSD) - スペースグレイ
「常識をくつがえす」なんていう言葉は誰しも疑ってかかるだろうが、ことM1に関しては提灯記事ばかりではなさそうだ。ここまでスゴイスゴイと言われていつのに、その変化のAppleファンたる自分が置いてけぼりになってしまっている気がしたのだ(発表されるまえにSurfaceへ乗り換えてしまった)。

このライバル機がいなければ、なんとか我慢できたかもしれない。だが、みんなが騒いでいる新型Mac(見た目は変わらないけど)を前にして黙ってはいられない。
さらにいえば、転職をしたことも響いた。Windowsのサブ機を用意しなくてもよくなったのである。
まとめ Surface Pro 7は素晴らしかった。だが、M1搭載Macbookはもっとすごかった。
結局の所、WindowsかMacかは何を必要としているか、というより「Windowsじゃなくても大丈夫か?」というところに行き着くと思う。仕事や使用しているソフトでWindowsが要求されるなら(あるいはその逆)、それだけで使う理由になるだろう。
だがそうではないのであれば、今までは「まぁ好きなものを選べばいいよ」という世界だった。
しかし今回のM1搭載Macbookは本当にゲームチェンジャーだ。私がApple信者だから半分そう思い込んでいるのかもしれないが、もう半分は純粋なスペックである。数字は嘘をつかない(もちろん、数字の鮮度は短いのですぐに追いつけ追い越せなのだろうが)。
今の時点で、自由にノートパソコンを選ぶのであれば、可搬性、性能、静寂性、本体の熱くなりやすさなど、さまざまな観点から見ても、M1チップが入ったMacbook以外の選択肢はないように感じられる。
M1のMacbookについては、今後詳細なレビューを書くとしたい。
Surface Pro 7は素晴らしいマシンだった。Windowsに対してなんら恨みもないし、この調子ですごい機材を出していってくれれば、また乗り換える…かもしれない。

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